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パワーコントロール

CDMA(Spread Spectrum通信一般でいって)という方式が考えられてからいままで, 衛星を使った通信以外に実用化されなかった背景には,遠近問題(Near-Far Problem)という問題があった.これは,基地局と移動局の距離に応じて,基地局 側で受信する電界強度が異なるというものであり,FDMA/TDMAでは問題にならな かったものである.FDMAでは,移動局が使用する帯域はある移動局に占有されて おり,その他の移動局,もしくは基地局が電波の届く範囲内で同じ帯域を使用す ることがない.このため,例え電波が強くとも他の帯域の通信を妨害することは ないし,弱くとも他の帯域に邪魔されることがない.同様にTDMAも時間に区切ら れた範囲内を占有するため,他の通信の妨害を受けることがない.すなわち,通 信は,雑音に比べてSN比が十分高ければ成功し,それぞれの通信間で干渉する作 用は無視できるほど小さかった.

しかし,CDMAでは同じ周波数帯域を同時に使用する.このため,基地局に近い移 動局と遠い移動局が同時に基地局に対して通信を行なうと,基地局に近い移動局 の電波の方が圧倒的に強く受信される.この場合,遠い移動局からの電波はほと んど埋もれてしまい,著しく通信品質が下がるか,あるいは通信できない状態と なる.これが遠近問題である.

これが,衛星・地上間の通信で問題にならなかったのは,衛星と地上局の距離の 変動が相対的に非常に小さいからである.

この遠近問題に対応するために,IS-95では,パワーコントロールという技術を 採り入れた.

パワーコントロールにはオープンループ制御,クローズドループ制御の2種類の 方法が存在する.






2000年03月31日 (金) 15時40分19秒 JST